男の楽園 女の地獄

どちらかと言えば女性向け?官能小説 7/23

エステ

茉莉が目を覚ました時、緒方はいなかった。

いつものモーニングを食べる時間よりが早い・・

もう、済ませたのかしら・・?

茉莉の分のモーニングセットは8時ジャストに届いた。

いつも、食べなかった茉莉だけれども・・

さすがに少しは手を付けようと、ほんの少し食べてみた。

上等の食材を使っているのがわかる。

ここは本当に高級ホテルなんだわ・・

次にノックして入ってきたのは部屋メイドだった。

「本日はエステのご予約が入っております」

その老婆が言う。

ここでは、女性は裸体というルールだが、この60過ぎの老婆は違うらしい。

茉莉はきょとんとしていると

「このお部屋のバスルームをお借りしますからね」

厳しいのだか、丁寧なのかわからない口調。

老婆は、後にも二人入ってきた。

今、お湯を入れてますから・・

エステ中は喉が渇きますからね お好みの飲み物は?」

「み、水で・・」

圧倒されて茉莉が答えると

ふんといった風に、水と2種類のジュースを盆にのせて用意した。

「まずはゆったりと お湯で体をほぐしてください」

茉莉はそのあと、今までの拷問とこの拷問がどちらがラクだろうという気持ちになりながら、老婆の指示通り

沐浴 エステ・・と3時間を過ごした。

さらに恥ずかしかったのは傷の手当だ。

「汗をかいた分、水分が出て行ってますから必ず飲んでください」

目の前に押し付けらたジュースを茉莉は素直に飲んだ。

「別嬪さんだね、緒方様が夢中になるわけだ・・」と独白。

今まで、裸体とはいえ空調が整っていたのと夏という気候もあって茉莉は特に

寒さなどの苦労はしなかった。

が、ドレスガウンをおいていかれ「せっかく磨いた肌が汚れると困る」

という老婆の一言で着せ掛けられた。

茉莉は正直、ここに連れてこられてからの疲れがたまりにたまり・・

そのまま寝入ってしまった

緒方が戻ってきたことも知らず・・

緒方は黙って茉莉の寝顔を見ていた

(・・・・・・)

あどけなささえ見せて眠る茉莉

(全く・・お前は凶悪犯と同じだ・・!)

唐突に自室に向かう

緒方には自分の感情を整理する時間が必要だった・・