始まり
茉莉は緒方の反対があったが、結局その食堂に仕事を見つけてきた。
そこでは慢性人手不足で給金が少ないので人が来ない・・があったので・・また街の人のほうが素性を見ぬくにはたけている。
これは・・どこかのお嬢様だなと思っても暖かくむかえいれてくれた。
茉莉は緒方からクレジットカードを渡されていたが、交通費分の1万円を出金した以上はさわっていなかった。
緒方を刺激しないように、茉莉はそこで朝食の時間から16時までとわがままな条件で雇ってもらった。
問題は緒方にどう報告するかだ。
茉莉は・・「緒方一郎」について考えてみる。
あの、とんでもないホテルで それでも彼は優しかったのではないか?・・と思えてくる・・
緒方が例の夜、叫んだ言葉「俺が知らないのは思いやりいたわりあいいつくしむことなんだ・・」と
それが本当なら、とても気の毒な人だ
だが、本当に?
少なくとも茉莉はこの家でとてもたいせつにされている
「緒方一郎」を意識し始めた茉莉・・
緒方は茉莉を思いやりいたわりいつくしんできたではないか・・?
まさか、それも自覚がない?
茉莉にとって異人種の彼を理解しようと・・茉莉は考え込んだ